地熱発電のメリット・デメリット|仕組み・種類・日本の現状と2030年目標を解説
- 再生可能エネルギー

「地熱発電ってどんな仕組みなの?」「メリットとデメリットを具体的に知りたい」という方は多いでしょう。
地熱発電は、地下のマグマ熱で温められた蒸気・熱水を使って発電する再生可能エネルギーです。天候や時間帯に左右されず24時間安定して発電できることが最大の特長で、設備利用率は約83%と他の再エネを大きく上回ります。
一方で、開発コストの高さや国立公園内の規制など、日本では普及が進みにくい課題もあります。本記事では、地熱発電の仕組み・発電方式の種類・メリット・デメリット・日本の現状と2030年目標まで、企業の脱炭素担当者向けにわかりやすく解説します。
- 地熱発電の仕組みは、地下の高温蒸気・熱水でタービンを回して発電するもの。フラッシュ方式・バイナリー方式の2種類が主流
- 最大のメリットは安定性。設備利用率約83%で太陽光(約15〜17%)・風力(約25%)を大きく上回るベースロード電源
- デメリットは①開発・調査コストが高く期間が10数年かかる②国立公園・温泉地との立地競合③発電量低下リスクの3点
- 日本は世界第3位の地熱資源国(約2,347万kW)だが、稼働中は約52万kW(資源量の2.2%)で世界10位にとどまる
- 2025年閣議決定の第7次エネルギー基本計画で2030年度に設備容量1.5GWへの拡大を目標に設定
シミュレーター
最低調達量:1 kWh〜
本シミュレーターは ¥4,500 / t-CO2 を参考値として使用
最低調達量:1,000 kWh〜
目次
地熱発電とは?仕組みをわかりやすく解説

出典:産業技術総合研究所
地熱発電とは、地下のマグマによって温められた高温の蒸気・熱水を利用してタービンを回し、電気を生み出す発電方法です。
地球の体積の99%は1,000℃以上の高温状態にあり、その膨大な熱エネルギーを利用します。マグマだまりの周辺の岩石は常に熱せられており、そこに地上から浸透した雨水が混じることで地下に高温の熱水・蒸気が生まれます。
この蒸気・熱水を地上に引き出し、タービンを回して発電するのが地熱発電の基本的な仕組みです。使用後の熱水は地下に戻されるため、資源を消費せず半永久的に利用できるという特性があります。
地熱発電の種類(発電方式)
地熱発電の主な発電方式は2種類です。地熱資源の温度・圧力によって使い分けます。
① フラッシュ方式

出典:日本地熱協会
高温高圧の熱水を地上に引き出し、減圧することで蒸気を発生させてタービンを回す方式です。日本の大規模地熱発電所の多くがこの方式を採用しています。シングルフラッシュ・ダブルフラッシュなどの種類があり、ダブルフラッシュは蒸気を2段階に利用して効率を高めます。
② バイナリー方式

出典:日本地熱協会
比較的低温(100〜150℃程度)の熱水でも発電できる方式です。熱水で沸点の低い二次媒体(ペンタンなど)を加熱・蒸発させ、その蒸気でタービンを回します。
温泉地の近くでも導入しやすいため、小規模な温泉発電に活用されるケースが増えています。
地熱発電の4つのメリット

地熱発電には、他の再生可能エネルギーにはない大きな強みが4つあります。
メリット①:天候・時間を問わず24時間安定発電できる
地熱発電の最大のメリットは、太陽光・風力では実現できない「安定性」です。設備利用率は約83%と、太陽光(約15〜17%)・風力(約25%)を大幅に上回ります。
昼夜・天候・季節を問わず一定量の発電が可能なため、電力需給の安定に直結する「ベースロード電源」として機能します。電力系統の安定化が求められる日本のエネルギー政策において、地熱発電への期待が高まっている理由の一つです。
メリット②:CO2排出量が極めて少ない
地熱発電は、発電所建設から廃止までの全工程のCO2排出量(ライフサイクルCO2排出量)が最も少ない発電方法の一つです。化石燃料を燃焼させないため、カーボンニュートラル実現に直結する純国産のクリーンエネルギーといえます。
メリット③:純国産エネルギーでエネルギー安全保障に貢献
地熱エネルギーは輸入に頼らない完全な国産資源です。化石燃料の価格変動や供給リスクに左右されないため、日本のエネルギー安全保障の強化に直結します。
日本は世界第3位の地熱資源国(約2,347万kW相当)でありながら、稼働中の設備は約52万kW(資源量の2.2%)にとどまっています。活用されていない巨大なポテンシャルが眠っています。
メリット④:熱水を農業・温泉・地域暖房に再利用できる
発電に使った蒸気・熱水は捨てるのではなく、農業ハウス・魚の養殖・地域暖房・温泉施設などに再利用できます。
例えば秋田県湯沢市では、地熱水をミツバ・パクチーの水耕栽培ハウスや農産物の乾燥施設に活用するなど、地域産業の振興にも貢献しています。エネルギーの地産地消モデルとして注目度が高まっています。
地熱発電の3つのデメリット・課題

地熱発電には大きなポテンシャルがある一方、普及を妨げる課題が3つあります。
デメリット①:開発コストが高く、事業開始まで10数年かかる
地熱発電の最大のデメリットは、開発から事業開始まで合計約14年を要し、莫大なコストがかかる点です。
開発工程の内訳は以下の通りです。
- 地表調査・掘削調査:約5年
- 噴気試験など探査事業・事業化判断:約2年
- 環境アセスメント:約4年
- 発電設備の設置・開発事業:約3年
掘削コストも大きく、井戸1本あたり数億円〜十数億円がかかります。有望地点でも掘削成功率は約70%にとどまり、失敗すれば数億円単位の損失が生じます。探査から事業化までの成功率も決して高くなく、民間企業にとってリスクの大きい事業です。
デメリット②:国立公園・温泉地との立地競合
日本の地熱資源の多くは国立公園内や温泉地帯に集中しており、自然景観の保護や温泉への影響を懸念した地元住民・観光業者との調整が不可欠です。
2012年以降、環境省により国立・国定公園内の一部エリアでの地熱開発が解禁されましたが、依然として許可が下りにくいエリアも多く残っています。地域の理解を得るための丁寧な合意形成プロセスが必要です。
デメリット③:長期運転による発電量の低下リスク
長期間稼働を続けると、地下の蒸気・熱水の圧力や量が低下し、発電量が落ちるリスクがあります。地下の貯留層を適切に管理・モニタリングする技術が求められます。
国ではこの課題に対応するため、出力低下の回復・未然防止のための評価・管理技術の確立に向けた研究開発支援を継続しています。
日本の地熱発電の現状と2030年目標
日本は世界第3位の地熱資源大国でありながら、活用が大きく遅れています。
日本の地熱発電の現状
| 項目 | 数値・内容 |
| 地熱資源量(世界順位) | 約2,347万kW相当(世界第3位) |
| 稼働中の設備容量 | 約52万kW(資源量の約2.2%・世界第10位) |
| 2024年の発電電力量 | 約39億kWh |
| 電源構成に占める割合(2023年度) | 約0.3% |
| 主な発電所の立地 | 東北・九州に集中 |
| 設備利用率 | 約83%(太陽光・風力を大きく上回る) |
2030年目標と国の支援策
2025年に閣議決定された第7次エネルギー基本計画では、2030年度の地熱発電設備容量を約1.5GW(150万kW)まで拡大する目標が掲げられました。現在の約52万kWから約3倍の拡大を目指しています。
目標達成に向け、国は以下の支援策を実施しています。
- 探査技術の高度化:地下構造の詳細調査により開発リスクを低減
- 出力低下の防止・回復技術の確立:長期安定発電のための管理技術開発
- 国立公園内開発の条件付き解禁:2012年以降、一定条件下での開発を許可
- 補助・出資・債務保証:開発フェーズに応じた資金支援
地熱発電に関するよくある質問(FAQ)
地熱発電についてよく寄せられる質問に答えます。
地熱発電と脱炭素経営|OFFSELで再エネ証書を調達する
地熱発電は安定したクリーンエネルギーとして優れていますが、自社で地熱発電所を導入することは現実的ではない企業がほとんどです。自社の使用電力をCO2フリーにする手段として、再エネ証書・カーボンクレジットの購入が最も手軽で確実な選択肢です。
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- 海外対応:100カ国以上のI-RECに対応
まとめ
地熱発電のメリットは設備利用率70%以上の24時間安定発電・CO2排出量の少なさ・純国産エネルギーによるエネルギー安全保障への貢献の3点。デメリットは開発期間が10数年と長く初期コストが高い点、国立公園・温泉地との立地競合、長期稼働による発電量低下リスクの3点です。
日本は世界第3位の地熱資源国でありながら、稼働中は資源量の2.2%にとどまっています。2025年閣議決定の第7次エネルギー基本計画で2030年度に1.5GWへの拡大が目標に設定され、国の支援策とともに普及拡大が期待されています。
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編集者
imaoka



