ESG投資のためには太陽光発電の導入がおすすめな理由と注意点・デメリット
- CO2削減
近年さかんな「ESG投資」とは、投資先を選ぶ基準として、環境問題・社会問題・企業統治(ESG)への取り組みを重視する投資方法です。
ESG経営を行う企業は、中長期的に成長し続けるサステナブルな企業と評価されます。
環境問題への取り組みで最も多く採用されているのが「太陽光発電」です。ESG投資の対象となれるだけでなく、温室効果ガスの排出量を削減し、電気代を安くすることができます。
この記事では、ESG投資を用いて太陽光発電を導入することで得られるメリットや注意点について解説します。
目次
ESG投資とは
ESG投資とは、投資先を選ぶ基準として、環境問題・社会問題・企業統治への取り組みを重視する投資方法です。ESGとは、「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の3つの言葉の頭文字を取った言葉です。
ESG経営を行う企業は、中長期的に持続し続ける企業と評価されます。時代のニーズに合わせた事業を行い利益を得るだけでなく、スキャンダルを起こして株価が暴落したり、倒産したりする可能性が低いためです。
投資家は、サステナブルな企業に投資することで、中長期的なリターンを得ることを期待しています。
また、地球温暖化による気温上昇やそれに伴った自然災害が近年世界的に大きな問題となっています。
このまま何の対策もせずに社会活動を続けていれば、近い将来更なる気温上昇によって、異常気象や海水面上昇などで地球全体に大きな影響がでると考えられます。
全ての企業は、環境に配慮した社会活動や企業運営をすることが求められているのです。
したがって、ESG投資への対策は、これから会社を経営していくにあたって必須とも言えます。
ESG投資と太陽光発電の関係
ESG投資には様々な種類がありますが、もっとも外部にアピールしやすいESG投資は消費エネルギーの削減ではないでしょうか。
現在エネルギーのメインは石油になっていますが、石油は地球温暖化の大きな要因となる二酸化炭素を排出しますし、そもそも石油自体が有限なので永久に石油をエネルギーに使えるわけではありません。
電力会社からエネルギーを買うのではなく、自然の力を利用して自家発電するのが消費エネルギーの削減方法としてもっとも手っ取り早いです。
自家発電する方法として真っ先に思い浮かべるのが太陽光発電ではないでしょうか。
太陽光発電は極めて効率の良いESG投資として現在注目されています。
ESG投資と太陽光発電の相性が良いといわれる理由・メリット
太陽光発電はESG投資と特に相性が良いといわれています。
具体的に相性が良い理由を見ていくことにしましょう。ESG投資で太陽光発電を選択することで以下のメリットが得られます。
金融機関で融資を受けやすい
金融機関も環境に配慮した社会活動をする企業に対して優先的に融資をするような動きがみられます。
環境省が2020年にESG融資に関するアンケートを実施しているのですが、89%の金融機関が再生可能エネルギーへ融資をしたという結果になりました。
更にそのほとんどが事業用太陽光発電の導入が対象となっています。
つまり、既に事業用太陽光発電は十分な実績があるというわけです。
また、太陽光発電は環境に配慮した投資だと融資側も理解しやすいというのも融資が受けやすい理由といえるでしょう。
電気代の削減につながる
太陽光発電は融資を受けやすいとはいえ、企業用ともなるとそれなりに導入コストが必要なので、中小企業にとっては一見すると導入までのハードルが高いと思ってしまいがちです。
しかし、政府も太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーの普及を推進しています。
東京都は2025年から住居用の新築物件についても太陽光パネルを設置することを義務化すると発表しており、脱炭素化の動きはますます加速していくことでしょう。
したがって、条件さえ合致していれば国からの補助金を受けることができます。
補助金が下りれば当初の予算よりも少ない費用で太陽光発電の設置することができるでしょう。
そして、太陽光発電を導入できれば、企業にとって経費の柱のひとつとなる電気料金を大幅に削減できます。
脱炭素社会への取り組みができる
太陽光発電を導入することで、企業で使用する電気を太陽光によって賄えます。
太陽光発電で発電した分、それまで使用していた石油エネルギーを削減できるため、間接的にではありますが脱炭素社会に対しての取り組みをしている事になります。
脱炭素社会への取り組みをしているかどうかは、投資家が融資をするうえで注目しているポイントのひとつであり、太陽光発電を導入することによって、投資家から評価されて融資を受けてもらいやすくなるでしょう。
RE100への加盟が可能になる
RE100とは企業が会社経営の際に使用するエネルギーを100%太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーでまかなうことを目指すための取り組みです。
加盟企業は2023年4月現在、全世界で401社、日本では78社で楽天、旭化成、富士通、積水ハウスなど大手企業がそのほとんどを占めています。
加盟条件は厳しいものの、既に加盟している大手企業が下請など取引先にも同レベルの取り組みをするように求めているのが現状です。
太陽光発電を積極的に導入することでRE100への加盟条件をクリアすれば一流企業の仲間入りを果たすことになり、融資を受ける際に非常に有利となることは間違いありません。
ESG投資で太陽光発電を導入する際の注意点
以上のように太陽光発電はESG融資と非常に相性が良いのですが、導入する際にはいくつかの注意点があります。
太陽光発電を導入する際は以下の3点を確認するようにしましょう。
ESG投資の対象とならない場合がある
太陽光発電を導入しただけでESG投資の対象となるわけではありません。
例えばSDGsの観点から見れば、女性が企業の運営にかかわりやすい環境になっているか、フレキシブルなワークタイムが確率されているかなど、働く上での環境や雇用面での取り組みができているかも重要です。
更にコンプライアンスが遵守されているかも見られるでしょう。
ESG投資の対象になることを目的として太陽光発電を導入することを考えているのであれば、会社運営も大きく変える必要があるでしょう。
天候によって発電量や収益が増減しやすい
太陽光発電は企業が運営するためのエネルギーを自家発電できる設備ですが、太陽光がパネルにどれだけ当たるかで生み出されるエネルギーが大きく変わります。
曇りがちの天気が続いたり、雨が降ったりすれば生み出されるエネルギーは大きく低下するでしょう。
また、そもそもパネルを設置する場所が適切でなければ希望通りのエネルギーを生み出すことができません。
太陽光発電を導入する前には調査を依頼して希望通りの効果を得られるか事前に確認しましょう。
パネルの破損や盗難のリスクがある
太陽光発電はパネルが正常に作動する事で初めて効果を発揮します。
台風などの自然災害によってパネルが破損する可能性がありますし、雪国では積雪によって破損する可能性もあります。
また、近年問題となっているのが太陽光発電に使用する銅線を狙った盗難です。
銅の価格が急上昇している事により、特に外国人の犯罪グループの標的になっています。
太陽光発電を導入する際はセキュリティに関しての対策もしておかなければならないでしょう。
また、破損や盗難がなくても太陽光パネルは定期的なメンテナンスが必須です。
導入の際にはメンテナンス費用を含めてもリターンを得られるか考慮しなければなりません。
日本企業の太陽光発電の導入事例
最後に日本国内の企業で実際に太陽光発電を導入した事例を2つ紹介します。
株式会社村田製作所
村田製作所は電子部品を製造する企業として日本のみならず世界トップクラスのシェアや知名度を誇る企業です。
ESG投資に関する取り組みとして、村田製作所では自社の広大な駐車場全体にカーポート型ソーラーパネルを導入しました。
このソーラーパネルは太陽光発電を行うと共に、社員の車や社用車を直射日光や風雨から守れるという一石二鳥の効果をもたらしています。
更にこのソーラーパネルは両面パネルとなっており、地面に反射した日光もエネルギーに変える事ができるという、細部にまで効率化を図った設計となっています。
山一電機株式会社
山一電機は2019年の台風被害によって電力の供給が遮断され、創業を停止せざるを得なくなりました。
2度とこのような苦い経験をしたくないという思いから、太陽光発電導入に踏み切る事となります。
太陽光発電と同時に生み出した電気を溜め込む目的でNAS電池も設置しました。
有事への備えから導入した太陽光発電ですが、環境貢献やSDGsの達成にも繋がっています。
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まとめ
地球温暖化による影響が顕著になっている昨今、企業経営には環境への配慮が求められます。
そういった背景から、環境に配慮した会社運営をするための投資であるESG投資が注目されています。
ESGを達成するための計画に対しては金融機関も積極的に融資してくれます。ESG投資の手段として最も多く採用されているのが太陽光発電です。
ただし太陽光発電は沢山のメリットが得られる一方でいくつかのデメリットもあるので、特徴をしっかりと理解したうえで導入するかどうかを検討するようにしましょう。
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編集者
maeda